ブログ「造材部のつぶやき」
クボデラ造材部のスタッフブログです。日々の出来事などを発信します。
北米の木材 ベイツガ(米栂、ウエスタンヘムロック)
[国内で丸太から製材されたベイツガ] 我が国の製材産業が一変、量産の草分け 北米産のベイツガは戦後、不足する杉などの国産材針葉樹の代替として、大量に輸入されてきました。1960年代には、大阪、清水、田辺、和歌山、徳島、広島、福岡、鹿児島など全国の港湾に、北米西海岸から大型バルク船で満載されたベイツガ…
北米の木材 米松ピーラー
[北米産地から輸入されたベイマツ丸太] 幅広芯去り無地造作、洋風住宅にも呼応 ベイマツ(ダグラスファー)の上級グレードについて、木材業界ではピーラーと呼びます。ピーラーとは、ベイマツ丸太をロータリーレースという加工機械で、かつらむきのように機械で剥くこと(ピーリング)で、表面化粧用の美しい単板がとれ…
北米の木材 ベイヒバ(カナダ桧)
[中国で加工されたベイヒバ集成フリー板] 湿気やシロアリに強く、耐不朽性も抜群 2018年10月、301年ぶりに再建された興福寺中金堂の落慶式が執り行われました。この中金堂の屋根周りの木材にベイヒバが採用されました。 当初、桧も検討されたようですが、桔木(はねぎ)をはじめ、中金堂屋根周り部材は一つ一…
北米の木材 スプルース
[アラスカ産スプルース丸太] 大径木で建具需要下支え、楽器用も人気 スプルース(マツ科トウヒ属)にはいくつかの種類があります。障子をはじめとした建具材料として多く使われてきたのがシトカスプルースです。アラスカ州のシトカ地域を主な産地とするもので、アラスカからカナダのブリティッシュコロンビア州沿岸に多…
北米の木材 はじめに
[北米西海岸産地から供給される米松製材] 国土の復興、高度成長を支えた北米産材 北米産地から木材が輸入されたのは、関東大震災で甚大な震災被害を被った東京の復旧・復興需要向けがその始まりと言われます。 カナダを代表する総合林産大手企業で、ブリティッシュコロンビア州に多くの森林資源を有していたマックミラ…
国産材針葉樹 桧
[法隆寺で使用された1300年前の桧(滝川寺社建築所蔵)] 杉飛鳥時代から使われてきた桧が今も現役 以前、奈良県の宮大工で、寺社建築の第一人者である滝川寺社建築の滝川昭雄氏から、法隆寺で使われたという1300年前の桧の板を見せていただきました(写真)。 滝川棟梁によると、飛鳥・奈良時代の古い建築の柱…
国産材針葉樹 杉
[杉 大径木がそろった原木市場] 杉資源は先達から受け継いだ全国民資産 日本の森林面積は約2508万ヘクタール、このうち人工林面積は約1020万ヘクタール、天然林面積は1348万ヘクタールあります。森林蓄積量は約52億立方メートル、(人工林が33億立方メートル、天然林が19億立方メートル)です。森林…
国産材針葉樹 はじめに
[国産材針葉樹全体 架線を使った丸太の集材] 国産材時代、活用することで資源循環に 国産材を取り巻く情勢は大きく変わってきました。国産材時代の到来です。 戦後植林された針葉樹人工林が伐期を迎え、自給できる再生可能な国内森林資源を積極的に活用していこうという考え方、さらに地球温暖化対策における森林のC…
木の哲人講座~造作材~ はじめに
[機械化が進む国産材素材生産現場] 木はすべての動植物の生態系を設計する 私たちクボデラ株式会社は、「木を哲学する企業」を理念として1945年、窪寺金太郎、正明が東京都中野区の沼袋で創業以来、木材事業に取り組んでまいりました。 造作プレカット、無垢造作、木材建材販売、神棚・上棟セット販売を事業の軸と…
4号特例見直しで木質構造材はどう変わるのか
【加工を待つ杉CLTマザーボード】 4号特例見直しで木質構造材はどう変わるのか 構造用製材業界に危機感 木造住宅等の構造材はこれからどうなっていくのか。 4号特例の見直し、省エネ適判の義務化、断熱等性能等級における最低基準の引き上げ。 プレカット大手の経営者は「工務店の対応が遅れている。私見だが建築…