米加産製材を筆頭に、欧州産、ロシア産、東南アジア産など建築材料として用いられる輸入木材製品価格が急騰しています。輸入木材製品価格の急騰に連動して、杉や桧などの国産材製材・集成材等も顕著に値上がりしています。集荷の苦戦も各本面から聞かれます。
特に2×4工法住宅で大量に必要とされる2×4製材は、多くをカナダ内陸部から輸入しているSPF製材に依存していますが、米国での製材価格の高騰を受けて、日本向け輸出価格も昨年の底値と比べ2倍に跳ね上がっています。2×4住宅1棟で22立方㍍のSPF2×4製材を使うと仮定して100万円近くの製材コスト増になるとも試算されています。
産地の製材価格高騰だけではありません。日本へ出荷するための船運賃も大幅に上昇しています。近年は金属の箱であるコンテナに入れて日本へ出荷されますが、ロサンゼルス港から横浜港へのコンテナ運賃は20年1月が1200㌦(40㌳コンテナ1本当たり)でしたが、21年1月は2110㌦と前年同月比76%高、さらに21年2月は2220㌦(同)となっています。欧州から日本へのコンテナ運賃も、ロッテルダム港から横浜港で21年1月には3040㌦(同)と前年同月比2倍になりました。
コンテナ船運賃の高騰原因は、新型コロナ感染症で世界的にコンテナ需給が歪になり、動脈硬化のように特定の港に空コンテナが大量に滞留していること、船員が新型コロナの影響で減少し人手不足が起きていることなどが挙げられます。空コンテナの入手が難しくなっています。
また、原油価格が上昇していること、為替が円安傾向にあることも、コンテナ運賃高荷関係しています。木材貿易は大半が海上運賃込みでドル建て輸出価格を示しますが、コンテナ運賃の上昇も製品輸出価格の急騰に大きく影響します。
国産材は為替や海上船運賃等の外部要因の影響を受けない存在といえますが、最大の問題は供給安定性が万全ではないことです。国産材製品もまた、原木価格の上昇を背景にコスト高に直面しています。市場では一般材、特に羽柄材不足が顕著で、ロシア産、欧州産、国産ともに大幅高となっており、一部では入手難も出ているようです。春以降の木造建築物施工にも影響が懸念されるところです。
当社は早め早めで木材製品輸入に取り組んできたことから、比較的手持ち在庫があるほうだと思いますが、欠品品目も出始めています。春需に向けた期近の製品手当手等でお困りの時は、ぜひお声がけください。