幅広芯去り無地造作、洋風住宅にも呼応
[北米産地から輸入されたベイマツ丸太]
ベイマツ(ダグラスファー)の上級グレードについて、木材業界ではピーラーと呼びます。ピーラーとは、ベイマツ丸太をロータリーレースという加工機械で、かつらむきのように機械で剥くこと(ピーリング)で、表面化粧用の美しい単板がとれるベイマツ丸太を指します。
[ベイマツKD小割材の量産製材工場]
ピーラーは高樹齢の大径木を原材料とし、色が明るく、非常にきめ細かい木目が特徴です。ピーラーはヤニを多く含んでおり、内装仕上げ材として使用する場合、ベイマツ内部のヤニを圧力釜で抜く作業が重要になります。
ベイマツピーラー材の産地は北米西海岸で、特に丸太の木口をペンキで黄色に識別した「イエローペイント」は、オレゴン州、ワシントン州の国有林から供給され、最上級とされてきました。ただ、環境保護の動きが高まった1980年代末、米国有林立木の伐採、販売が大幅に規制され、ピーラー材の供給は著しく低下しています。
大径木を原材料とすることから、幅広の芯去り柾無節材をとることができ、洋風造作、建具用材をはじめ、テーブルトップ、無垢フローリングなど多様な内装材需要に対応します。
[ベイマツKD小割材の量産製材工場]
一般的なベイマツは、北米西海岸を主要な産地とし、大規模に植林された人工林から原材料が安定供給され、北米市場向け2×4住宅構造材はもとより、日本にも丸太、半製品、完製品で大量に供給されています。
従来、木造軸組住宅の梁・桁等の横架構造材は地松などを原材料としてきましたが、本格的なベイマツ供給により、あっという間にベイマツ平角が梁・桁市場の多くを占めるようになりました。
ベイマツ平角は日本の木造軸組住宅市場を一変させたといっても過言ではありません。