当社が推進しているアカデミアとの協業活動でお世話になった千葉大学環境健康フィールド科学センターのグランドフェローである宮崎良文先生(千葉大学名誉教授、医学博士)、千葉大学環境健康フィールド科学センターの特任助教である池井晴美先生(農学博士)が共著した「木材セラピー 木のやさしさを科学する」が22年3月14日、創元社から出版されました。
同書籍の出版を記念して3月25日、東京原木協同組合、東京木材問屋協同組合が主催して、記念講演会が開催されました。同講演会は東京原木協同組合設立70周年記念事業でもあります。
当社では20年10月から21年3月にかけ、6回にわたり「木材と快適性」というタイトルで、科学的知見を損なうことなく、一般の人にもわかりやすく、宮崎・池井研究室の研究成果をベースとした中立的な切り口で「木材と快適性」についてご解説いただきました。
https://kubodera-zousaku.com/column/
これまで木材業界が漠然と感じてきた「木は素晴らしい資材である」との思いを、両博士から科学的な知見を付与していただくことにより、木材業界が一層、自信をもって木材を取り扱えることを目的として取り組んできました。両博士は、森林浴、森林セラピー、木材セラピーを通じ、森林や木材が人体に及ぼす影響に関する研究の先駆であり、世界的な権威として知られ、現在も精力的に論文等を発表し、新たな知見を提起しております。
このたび出版された「木材セラピー」は、「木は人をどうリラックスさせるのか」、五感を介してもたらされる木材のリラックス効果、リラックス法を科学的に解説、紹介しています。
本書の構成は次の通りです。
第1章:木材セラピー(木材セラピーとは何か、なぜ人は木材と相性が良いのか、快適性とは何か)。
第2章:木材セラピー研究とは(森林セラピー・木材セラピー研究の歴史、なぜ木材セラピー研究は進まないのか、研究に向いている人とは)。
第3章:どうやって人を測るのか(脳や体の測り方、アンケートを使った測り方)。
第4章:木材セラピーの科学的背景(世界における日本の木材セラピー、木の香りによる生理的リラックス効果、木に触ったときの生理的リラックス効果、木を見たときの生理的リラックス効果)。
第5章:自然セラピーの科学的背景(森林セラピー、公園セラピー、花セラピー)。
第6章:木材・自然セラピーの生活への取り入れ方(経験か科学的データか、主観評価と生理応答の関係、自然セラピーの具体的な取り入れ方)。
第7章:木材セラピーの将来展望(科学と木材利用の融合、室内実験とフィールド実験、高ストレス者における木材セラピー)。
拝読いたしましたが、実験結果や実験風景を写真や図解・イラストを駆使して、ふんだんに掲載しており、大変分かりやすい内容となっています。木材関係者をはじめ、多くの人に同書を活用していただき、五感に関する木材の良さや特徴を知っていただきたいと思います。