平成30年度税制改正の大綱で、森林環境税及び森林環境譲与税の創設が決まりました。森林環境譲与税は平成31年度から、森林環境税を財源として、全国の自治体へ譲与が開始されました。森林環境税は、国民の皆様一人一人に森林を支えていただき、次世代に豊かな森林を引き継いでいくための仕組みで、国民から税をいただく森林環境税と、これを森林の整備等に使う森林環境譲与税という二つの税から構成されます。
森林環境譲与税の使いみちは、間伐や路網といった森林整備、森林整備を促進するための人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発に分かれ、国、都道府県を通じ、全国の市区町村に配分されます。
大都市部の市区町村のなかには、森林面積が少なく、林業比率が小さいことから、森林環境譲与税の使いみちに悩まれているところも少なくないと聞きます。しかし、森林環譲与税の目的の一つは、「木材利用促進・普及啓発」にもあり、大都市部の市区町村が積極的に木材を使用することで木材需要の拡大に貢献し、森林整備を加速させることにつながります。
東京都文京区では、区有施設整備における木材利用や環境教室など各種事業を通じて、区民の森林環境に対する意識の醸成に取り組んでいます。地球温暖化対策地域推進計画では、区有施設への環境に配慮した資材等の活用を勧めており、令和元年度は多摩産材を活用し校舎廊下に腰壁を設置しました。事業費は10億1400万円(うち森林環境譲与税859万円)。区内の築30年以上が経過している小中学校で快適な教育環境とするため、木材を活用して内装等を改修しており、既に6校で16立方メートルの多摩産材が使用されています。
クボデラ株式会社では、首都圏各地の地域産材を原材料とした木製パーテーションを開発いたしました。森林整備において欠くことができない間伐材を木材製品として循環活用することで、木材需要を伸ばし地産地消を実現することで、森林を健全なものとしていくことにつなげていきます。造作材加工を行う弊社首都圏サービスセンター(埼玉県さいたま市)では、全国の木材を原材料に、造作材、建具材、家具等を製作しています。森林環境譲与税に基づく、地域産材を使った収納家具、什器、受付カウンターなど庁舎内装の木質化、木製遊具、木製ノベルティなどのご用命にも対応いたします。
森林環境譲与税の仕組みをはじめ、まずはお気軽にお問い合わせください。森林を循環活用していくことはSDGs時代において、大変重要なことであると考えます。弊社は、「木を哲学する企業」として、今後とも木を通じ、森を知り、自然とともに生きやすい社会を実現していく所存です。