様々な用途に活用、人気のある幅広天板
[乾燥が進んだタモ8メートル長の一枚板]
タモ(ヤチダモ)は家具、造作用材として北海道を中心に原材料が供給されてきましたが、近年は北海道の優良資源が少なくなり、価格の上昇も著しいことから、ロシア極東地域からの供給が増えています。
ただ、ロシアが木材に対し高率の輸出関税を賦課した影響で出にくくなっています。ロシアとの国境貿易で中国に出荷される比率も高く、中国で半製品に加工してから日本に入荷するケースもあります。
タモはモクセイ科トネリコ属に分類され、北米産のホワイトアッシュ、欧州産のヨーロピアンアッシュもタモの仲間です。
[タモ一枚板]
タモは、家具材、建具材、造作材、器具材、車両材、化粧用単板、内装用合板、土木材など幅広い用途に使われます。重硬なものは弾力性に富むので、バッドやラケット、スキー板などの運動具材としても適しています。
最近、銘木市場等でセリ売りされる幅広一枚板のなかでもタモは人気があり、手堅く売れていきます。家具用材が主力ですが、内装材ではフローリングをはじめ、階段材、手摺材、ドア枠、カウンター材など多様な用途があります。
辺材は淡い黄白色、心材は淡い灰褐色で、辺・心材の境目は明瞭。木理はほぼ通直ですが肌目が粗く、時に縮杢(ちぢみもく)などの独特の杢が現れ、そうした製材は希少性と意匠性を評価され、高い評価を受けます。
重硬で靱性・弾力性に富み、年輪の幅で、重さや硬さが異なります。比重が高く重硬、加工性、耐朽性は中程度です。
ヨーロピアンアッシュは家具のほか、道具の柄、カヌーやボート製作の材料として利用されます。スポーツ用品の材料としても有名で、野球のバットやホッケーのスティック、ビリヤードのキューにも使用されます。昔はテニスラケットの材料としても用いられました。
[見事な縮杢を見せるタモ一枚板]