JAS材使用の住宅建築に助成が行われます

【転換実証支援事業のフロー図】

【転換実証支援事業のフロー図】

22年7月19日、全国木材組合連合会(全木連)は「令和4年度JAS構造材実証・転換実証支援事業のうち転換実証支援事業」を公表しました。同事業は住宅を対象としており、地上3階建てのもの、もしくは延床面積500㎡以上の住宅に対し助成されます。先ごろ公募締め切りとなったJAS構造材実証事業は非住宅木造建築等が対象で、住宅が対象となるのは珍しいといえそうです。詳細は下記URLを参照してください。
https://www.jas-kouzouzai.jp/_files/tenkan/t_setsumei.pdf

同事業の趣旨は、木材製品価格の高騰、ロシアによるウクライナ侵攻の影響等が重なり、輸入木材の供給が不安定となるなか、調達が困難になった横架材、羽柄材について、設計・施工上の工夫を通じて品質・性能の確かなJAS製品への転換を促し、その成果を普及するものです。
国産材への転換を明記しているわけではありません。これとは別建築用木材の転換促進支援事業」が公表されており同事業でロシア材から国産材への転換等に対し助成する事業です(別紙参照)。
助成対象は、施工実証(JAS材を使用した建築事業者等)、設計実証(JAS材を使用した建築士事務所等)に分かれています。

同事業は、構造計算を要する3階建ての住宅、若しくは延べ床面積500㎡以上の住宅を対象に、横架材、羽柄材にJAS材を活用することを要件に、住宅全体に使用したJAS材の調達費の1/2相当額等を支援します。また、当該建築物の設計に際しても設計費の1/2総統が助成されます。転換実証を目的としており、申請等においては設計や施工時に行った工夫を提出する必要があります。

JAS材の要件

横架材(梁、桁、床梁、胴差、小屋梁など、*土台は除く)=機械等級区分構造用製材、目視等級区分構造用製材、構造用集成材、構造用単板積層材
羽柄材(間柱、根太、筋交、胴縁、野縁、垂木、貫など)=上記品目及び下地用製材、造作用製材、造作用集成材、造作用単板積層材、接着たて継ぎ材
*JAS材であっても羽柄材は、横架材をJAS材に転換することが要件となります。
2×4工法住宅
枠組壁工法構造用製材、枠組壁工法構造用たて継ぎ材

助成対象事業

同事業の対象は、新築及び増改築を行う建築物のうち、建築確認申請または建築工事届を提出したもので、下記の条件をすべて満たす物件(一部割愛)。
建築主が国でないこと。
居住専用住宅または事業用併用住宅(木造と木造以外の混構造を含む)で、地上3階建てのもの、もしくは延床面積が500㎡以上のもの。
新築および増改築する助成対象の床面積(非木造部分を含む)が10㎡以上の建築物であること。
指定する構造部位でJAS構造材を使用した建築物であること。
JAS材に転換するための工夫を事業申請書、交付申請書に記載すること。
建築確認申請または建築工事届を提出したもの。
林野庁が作成したガイドラインにより施工者が炭素貯蔵量を算出すること。

施工実証

JAS材を用いた施工実証については、横架材をJAS構造材にすべてまたは一部を転換することが前提となります。この前提が満たされた場合のみ、羽柄材をJAS材にすべてまたは一部を転換することも助成対象となります。羽柄材のみのJAS材への転換は対象となりません。
また上記の前提が満たされた場合、横架材、羽柄材以外の柱、壁等に使用したJAS構造用合板、構造用パネル、CLTも助成対象となります。
2×4工法では、すべてまたは一部にJASの枠組み壁工法構造用製材、枠組壁工法構造用たて継ぎ材を使用することが前提となり、この前提が満たされた場合、壁等に使用したJAS構造用合板、構造用パネル、CLTも助成対象に含めます。

設計実証

JAS材を用いた設計実証は、助成対象物件のうち木造部分に関する設計費(令和3年12月20日以降に設計契約を締結したもの)が助成されます。助成金額は設計費の1/2。

施工実証の助成率

助成金額は1棟1500万円を上限とします。横架材、羽柄材、枠組材等が立方㍍当たり6万6000円、CLTが立方㍍当たり14万円、構造用合板および構造用パネルは調達費の1/2となります。
*全木連からの審査結果通知書(様式第3号)の日付以前に発注された木材は、助成対象に
できません。

 

募集受付期間は22年7月19日から22年8月19日までです。

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