2021年10月７、８日の両日、東京ビッグサイト青海展示棟Bホールで、住宅ビジネスフェア／非住宅木造建築フェア／マンション総合EXPO／賃貸住宅・アパートEXPO 実行委員会による大規模な建築展示会が開催されました。特に非住宅建築の木造・木質化提案については初めての展示会となり、最新の製品や技術が一堂に集結し、木材建築材料、プレカット、構造計算、建築工法など、非住宅木造・木質化建築に関する最も新しい情報が勢ぞろいしました。

非住宅木造建築に対する建設業界の関心は年々高くなっており、木造系の住宅・建設大手にとどまらず、スーパーゼネコンにも次々と木構造に関係する部門が新設され、中堅ゼネコンや地場ゼネコンでも同様の動きが顕著です。今回の展示会来場者でもゼネコン関係者が目立ちました。

こうした変化の背景にあるのは、国の非住宅木造建築需要創出に向けた施策の落とし込みがあります。省庁横断型で需要拡大のための支援事業も充実してきました。気候変動問題への打開策として、二酸化炭素を吸収する森林をさらに健全なものとし、森林を活用することで資源の循環を促すとともに、長期にわたり炭素を固定することができる木材製品の積極的な活用が重要との考え方に基づくものです。需要拡大を促進するため建築法制度面の改正に加え、構造、防耐火、遮音、断熱等に関する技術革新も進んでいます。都市に第二の森林をという考え方が定着してきたと感じます。

非住宅木造建築フェア関係の出展企業・団体は次の通りです。日本CLT協会、宮城県木材協同組合、奈良県木材協同組合連合会、高知県木材協会、愛媛県産材製品市場開拓協議会、東京合板工業組合、森林研究・整備機構森林総合研究所、東京都農林水産振興財団、LIGNOLOC、日本BP材協会、木造施設協議会、全国木材組合連合会、日本住宅・木材技術センター、APAエンジニアード・ウッド協会＆カナダ林産業審議会、住友林業、竹中工務店、大林組、三菱地所グループ、木構造デザイン、オーシカ、リブ、木講堂、シェルター、コンステック、志田材木店、日本遮熱、ハローズ、エヌ・シー・エヌ。
特に中高層をはじめ非住宅木造建築に先導的に取り組むゼネコンが多数出展しているのが目立ちました。

後援は、林野庁、全国知事会、国立研究開発法人　森林研究・整備機構　森林総合研究所、(公財)日本住宅・木材技術センター、(公社)日本建築家協会、(公社)日本建築士会連合会、(一社)日本BP材協会、(一社)全国木材組合連合会、(一社)中大規模木造プレカット技術協会、(一社)日本建築士事務所協会連合会、(一社)日本CLT協会、(一社)日本木造耐火建築協会、(一社)木造施設協議会、大型パネル生産パートナー会、全国森林組合連合会、日本合板工業組合連合会、木造住宅接合金物協会。協力・協賛は(株)大林組、住友林業(株)、(株)竹中工務店、三菱地所(株)、(株)木構造デザイン。

日本国内の建築着工床面積を階層別に比較すると、1～3階建ての低層住宅の木造率は8割に上る一方、4階建て以上の中高層建築及び非住宅建築の木造率はいずれも1割以下の状態です。住宅建築での木材需要は依然として重要な上で、中高層及び非住宅分野については需要拡大の余地があると言えます。
一方、少子高齢化、増加する空き家、個人収入の伸び悩み、住宅性能向上に伴う耐久年数の伸長などで新設住宅需要は既に頭打ちとなり、今後、漸減する公算が高いと考えられ、新たな木材需要の創出が重要になっています。非住宅建築物の木造・木質化は最も有望な需要分野です。

これまで低層の非住宅建築は多くが鉄骨造で建築されていますが、小規模建築では戸建て住宅に用いられる工法で建設できるものがあります。大断面集成材を使わず、住宅用に生産・流通しているサイズの製材品（一般流通材）でも大スパンを実現できる構法の開発など、サプライヤーの企業努力もあり、材料費や加工費を抑えつつ、鉄骨造並みのコストで低層非住宅建築物を建設できるようになってきています。

木質材料もKD構造用製材、２×４工法用製材、構造用集成材、構造用LVL、CLT、ウッドBP材など選択肢が広がっており、構造部位ごとで多様な設計検討ができるようになってきました。非住宅木造建築というとハードルが高く、地場のビルダー、工務店では手に余るといった先入観がありますが、工務店、ビルダーで着実に非住宅木造建築の実績を積んでいるところもあります。クボデラ株式会社では非住宅木造・木質化建築に意欲ある工務店・ビルダーとの連携を目指しています。ご相談をお待ち申し上げます。