都市における木材需要の拡大事業

都市における木材需要の拡大事業

目次

構造材に加え内装材や木製サッシも助成対象


【同事業の助成金支払いまでのスケジュール】

林野庁の助成事業のひとつ、都市における木材需要の拡大事業が今年度も実施されています。同事業の主体は般社団法人全国木材組合連合会(全木連)です。
23年度事業の第1次公募は23年6月28日に公表され、締め切りを待たず募集が終了されています。7月24日に第2次公募が開始されました。こちらも8月10日が締め切りとなっており、それ以前に予算枠の上限に達し公募を終了する可能性もあります。同様に全木連が実施主体となっている「JAS構造材実証支援事業」同様、きわめて人気の高い助成事業です。「JAS構造材実証支援事業」は既に2回目の募集も終了し、今年度は追加実施の予定はありません。

同事業は都市部での木材需要の拡大に向けた「木質耐火部材等」、「JAS構造材」、「内装の木質化」、「木製サッシ」と幅広く助成対象としている点が特徴です。都市に関する明確な規定はありません。
同事業を活用する場合、先行して「都市木利用拡大宣言」を行う必要があります。すでにJAS構造材活用宣言事業の事業宣言している事業者は省略することができます。宣言事業は簡単で申請作業はすぐに完了することができます。締め切りは24年3月22日まで。全木連に書類を提出します。

「都市における木材需要の拡大事業」の概要は次の通りです。

対象事業者
施工者(宣言事業を終了した事業者)。

対象建築物
・建築主が国でないもの。
・本事業以外に国、地方公共団体、その他公的機関からの助成を受けていないもの。
・3階建て以下の住宅(戸建ての居住専用住宅、事業併用住宅)を除く住宅、非住宅。
・新築または増改築する建築物の非木造部分を除いた床面積合計が10平方㍍を超えるもの。
・建築基準法に基づき耐火、準耐火性能が求められる建築物の性能を有すること。
・JAS構造材が指定する構造部の部材に使用されている建築物であること。
・実証事業者がクリーンウッド法に基づき合法性を確認した木材製品を使用すること。

助成対象品目 *各品目の一部組み合わせも可能で助成額が増えます(下表)。

木質耐火部材等
耐火・準耐火性能等が求められる木造または木造混構造建築物の新築・増改築における木質耐火部材等(燃えしろ、耐火被覆)の利用。
JAS構造材
対象となるのは、機械等級区分構造用製材、2×4構造用製材、CLT、構造用集成材、構造用LVL、構造用合板、構造用パネル(OSB、PB等)。
内装材
耐火・準耐火性能等が求められる建築物の新築、増改築、修繕等において、壁・天井・床の仕上げの表面への木材製品の利用。
木製サッシ
建築物の新築・増改築、修繕等における木製サッシの利用。

助成金額

木質耐火部材等
燃えしろ製材:木造または木造混構法とする階の床面積合計×1万4200円(平方㍍)。
その他の方法:木造または木造混構法とする階の床面積合計×1万2500円(平方㍍)。
CLT利用:CLT材積合計×17万円(立方㍍)
JAS構造材
機械等級区分構造用製材(目視等級区分を含む)、2×4構造用製材、構造用集成材、構造用LVL利用:材積合計×6万6000円(立方㍍)。構造用合板、構造用パネルは調達費の
1/2。
CLT利用:材積合計×14万円(立方㍍)。
内装材
壁・床の利用:利用面積合計×1万1000円(平方㍍)。
床の利用:利用材積合計×7000円(平方㍍)。
*調達費(材料+工場加工+運送合計)と比較して低い額。天井、壁、床を合わせて申請することは可能。
木製サッシ
1窓当たり6万円か*調達費の1/2と比較して低い額。

助成上限

木質耐火部材等、JAS構造材
1500万円、ただし4階建て以上または1000平方㍍以上は3000万円。
内装材
1000万円。
木製サッシ
100万円。

注意点
木質耐火部材等の区分については、公募を開始した日以降に工事に着工しているものが助成対象。
JAS構造材、内装材、木製サッシの区分については、公募を開始した日以降に調達が行われたものの調達費が助成対象。
事業採択通知書に日付前に助成対象の建て方完了した物件の木材は助成対象外。

木材調達時における留意点(合法伐採木材の証明方法)
交付申請時に、合法伐採木材の証明書を提出しなければならないため、調達時に合法性が確認できるものであるかについて確認が必要です。合法性を確認するためには、施工者や納入業者が、クリーンウッド法の登録業者等である必要があります。

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