レッドグランディスという木を御存じですか。
南米ウルグアイで植林された温帯産広葉樹です。ユーカリ系の早生樹種で、樹齢20年を過ぎると伐期を迎えます。当社ではこのレッドグランディス原材料をウルグアイの製材大手であるウルフォー社(URUFOR S.A. 本社=モンテビデオ)から調達し、ベトナムの提携先木材加工工場でフローリング、羽目板などの内装仕上げ材に最終加工して輸入しています。ウルフォー社のURLは下記の通りです。
http://www.urufor.com.uy/index.php?LANG=ENG
レッドグランディス原材料丸太は、同国の林業大手であるコフサ社(COFUSA)から、ウルフォー社製材工場に供給されています。コフサ社の植林は年間降雨量の非常に多いウルグアイ北東部の砂深い土壌において、持続可能な条件下で行われます。コフサ社は4万ha以上のプランテーション(植林地)を所有しており、ウルフォー社と共に600人以上の労働者を雇用しているそうです。
レッドグランディス人工林は適切に管理され、持続可能な森林経営に基づき、計画的に素材を生産しています。コフサ社は国際的な森林認証機関であるFSCの森林管理認証(FM認証)を取得しており、森林は厳格に管理されています。
植林地に供給されるレッドグランディスの苗もコフサ社の育苗施設で育成管理しており、年間250万本のレッドグランディス苗を生産しています。そして、ここで生産された苗を林地に植林し、枝打ち、間伐なども定期的に行っています。
レッドグランディスの森林は樹齢22年ほどで成長し、高性能林業機械により効率的に伐採されます。植林から造林、伐採までのサイクルを確立させ、持続可能で循環する森林を実現しています。
【右は枝打ち作業の様子、左は成木】
ウルフォー社の製材事業は単一工場ですが、丸太消費能力年間36万㎥と国内屈指の大型製材工場です。1992年から事業を開始しました。製材工場は完全自動化された最新鋭の設備を導入、また木材人工乾燥(KD)設備は1万6000㎥のKD能力を有しています。木材製品の含水率管理はすべての製材を対象に実施されています。
レッドグランディス製材は、全米広葉樹製材協会(NHLA)によるNHLA格付基準に従って格付けされています。
同社製材工場もFSCのCoC認証を取得しています。FSC認証のレッドグランディスのみを製材原材料とし、1工場で完全に管理されています。
製材の人工乾燥は、製材廃材などを燃料にした木質バイオマスボイラー(12MG能力)から供給される熱源を活用しています。製材複製品の木材チップは国内の大手製紙事業所(UPMキュンメネ)向けに出荷されています。
【右はウルフォー社製材工場、左はKD前の板材養生の様子】
ウルフォー社のレッドグランディス製品は世界25ヵ国以上に出荷されています。主な製造品目は、家具、キャビネット、ドア枠、窓、階段コンポーネントなどです。595㎏/㎥と比重が高く耐久性に優れていることから外構部やそれに準じた部位での採用事例も多くあります。
温帯産広葉樹の持ち味である美しい木味も魅力で、家具・建具・造作用材に適しています。塗装性にも優れ、オークやウォルナット色に塗装することで美しい意匠が発揮できます。
レッドグランティスの外観の特徴を生かし、例えばアドビ本社(米国ユタ州)、ダイアログ・バニュワングイ・リゾート(インドネシア)コテージホテル・モンテビデオ(ウルグアイ)、フードマーケット(同)、ザ・ペニンシュラ・ヤンゴン(ミャンマー)、ヴィラハウス(タイ)などの大型物件にも、内装や木製家具などに採用されています。
当社では無垢板材を買い付け、ベトナムの提携先加工工場で、無垢羽目板やフローリングなどの板材に最終加工して輸入、販売しています。
現在、当社で在庫販売しているレッドグランディス板材の寸法は、厚さ25.4㍉、幅203.2~225.4㍉、長さ3575~4900㍉。グレードはFAS、含水率は10~12%です。
ウルフォー社のすべての製品はFSCのCoC認証を取得しています。当社も2021年中にFSCおよびSGEC/PEFCのCoC認証を取得する計画で作業を進めており、将来的にレッドグランディスでCoC森林認証の流通連鎖が実現できるよう取り組んでいく所存です。
日本市場ではまだ、レッドグランディスは馴染みの薄い樹種で、安定して取り扱っている木材事業者も少ないですが、ウルフォー社のレッドグランディス製品は温帯産広葉樹としての美観、耐久性、また持続可能性、資源循環性、透明度の高い合法性とトレーサビリティを有し、様々な需要家の皆様が安心して使っていただける木材です。同社製品に関するデューデリジェンスに関する資料も用意しています。
クボデラ株式会社では2021年7月末、SDGsへの取り組みをまとめた「クボデラSDGsチャレンジ2021」を公表しました。木材の取扱いを主力事業としており、特に取扱い木材製品の合法性に留意しております。
「フェアウッド」「エシカルマテリアル」という考え方は今後、極めて重要な資材の選択肢になると確信しており、皆様とともに、そうした木材製品の普及に取り組んでいきたいと考えます。 「クボデラSDGsチャレンジ2021」サイト https://kubodera.co.jp/sdgs/
【当社が施工したレッドグランディス内装材】